ハレとケ

全て個人の感想です。やさしくしようね。

【メガネゲイニントメガネニカナウ】初芝居を観に行くの巻

Q.誕生日には何をする?

A.推しのはじめて演じるお芝居を観る!

 

そういう訳で1/13の栄えある(あるの?)三十路の誕生日、それとその翌日14日にヘンダーソンの中村フーさんが出演されていた「メガネゲイニントメガネニカナウ」を観劇してきました!いやあ、良い経験。人生に彩りが増えました。

 

(元々こんななが〜い感想書くつもり無かったんですけどあんまりにも感想なさ過ぎてなんかこう、私の中の何かが暴れだしたので……お時間少々頂戴します……)

 

※舞台期間は終了したので多少のネタバレをするョ……。書きたいことあったら増えたり減ったりすると思います。

あとほぼ推しにしか言及してない。これだからオタクくんはさぁ……!

 

 

元々舞台をみるのは好きなんですが(そんな数はみてないです)、一つだけ私には越えるべき課題がありまして 。

それが「餅は餅屋」の精神。まあ要するに専門職の人には専門職の事やってもらうのが一番良いって事なんですが、(過去観てきた舞台のいわゆるコメディパートの部分で、お笑いを生業にしていない人が大スベりしてきた過程を山ほど見てきたので)祭田はコメディパートがかなり苦手です。選り好みをどうしてもしてしまう性格なので基本はかたっくるし~やつとかコメディパートがかなり制限されそうなものしか見れないんです。悲しいね。(慣れてない人のコメディパートを見ると共感性羞恥で席から逃げ出したくなるレベル。いやあ、緩急を付けたくなる気持ちはね?よくわかるんですけどこう、やっぱりしんどいというのも事実でえ。でも頑張ってる人の事を考えると失礼だしちゃんと見なきゃなってなっちゃってぇ……)

でも今回は大丈夫。餅は餅屋。芸人さんがいっぱいなのでその不安はゼロ。なので安心してチケットを取りました。すごい。こんなに安心して舞台のチケット取ったの何年ぶりなんだろう。まずはお昼公演の一回のみサクッととる。ちなみに観劇初回終わって速攻次の日のチケット買って発券してました。財布のひもがゆるゆる過ぎる。

前日夜、寝付けなくて朝方まで起きている致命的なミスをおかしつつなんとか劇場へ。初めて行く場所で少し手間取りましたが、冬の寒い中スタッフさんがお外で声掛けをしてくださったので迷うことなく劇場到着! 本当にお疲れ様です……。

 

舞台のシナリオは……あらすじをチラシからお借りすることにします。前後半の二部構成でした!

 

■Aチーム『福』

作・演出:久馬歩(ザ・プラン9)さん

とある町のとある商店街のとあるお店の方達がとある場所に集まってとあることを決めている。

傍から見ればどうでもいいこと。

でもお見せにとっては大問題。

さぁ、あなたはどの商店を応援しますか?

 

■Bチーム『MeganeVerse』

作・演出:二郎松田(カヨコの大発明)さん

美樹は悩んでいた。一体私は市庭のなんなのか。こうしている間にも宇宙はインフレーション的膨張を続けている。

一方その頃、美樹は悩んでいた。一体私は市庭のなんなのか。こうしている間にも宇宙はインフレーション的膨張を続けているのだ!

果たして多次元宇宙論は妙齢の男女関係にいかなる結果をもたらすのか!?

 

 

 

今あらすじ見たらBチームの性格の表れが出ていて面白いなぁと感じるなどしています。ワザマエだ……。

中村さんはAチームにいらっしゃいました。Aチームのほうがコメディ色、コント色の強いお芝居。Bチームはクスリとするところも多いけれどAチームよりはコメディ薄め。ラブコメ色強めでした!

 

□Aチーム『福』

商店街の会議中に起こるドタバタ。これ書きながら「現場は会議室……」って一人でクスクス笑ってました。板付きでスタートしたので初回は明転後ビクッとしてしまい申し訳ない気持ち。あと、舞台の人が背中向けて座ってるってあんまり無い気がするからちょっと新鮮でした。

商店街の福引って確かに場所によっては「いいな〜!」と思えるところと「そ、そういう感じね……」となるものがあるなぁとちょっと懐かしい気持ちに。

久馬さんの書くシナリオがほんっっっとに面白くて。何回見ても飽きが来ないし、むしろ「ここはこんなんだったのか!」と新たな発見が見られる素敵すぎる脚本でした。全員の配役とか、言い回しとかすごいしっくり来て肩肘張らない素直な気持ちで、背中を背もたれにつけてケラケラ笑いながら観ることが出来ました。感謝……ッ!

 

中村さんの役どころはリサイクルショップ(つるみリサイクル店)の店長さん。薄めのグレーのパーカーと黒のつなぎ?を腰で巻いてて、確かに古着屋さんとかに居そうな服装で、ほんのりダウナーな雰囲気もあってそれでいて中村さんぽさもあってとても……良かったです。標準語の役だったけど特に違和感なく聞けるのもなんだか新鮮でした。私は中村さんのトーン高めのやわらかボイスが滅茶苦茶に好きなので(FANYチャンネルで見れる「見取り図の寄り道タクシー」でナレーションされてるんですけど、それもとても聞き心地が良いので是非!)、中村さんの一言目が劇場に響いた瞬間にマスクの内側でニンマリしてしまいました。え、演技だ〜! と小二の感想を抱くぐらいにはそこで満たされてしまって。多分あの一言が私の払ったチケ代。あとは全部収入です。

自信満々にレインボーストライプのTシャツ(正直ダサい)を「うちの人気商品なんです!」と言いながら掲げてみせる所とか、逆に「ダサいです」って言われちゃって狼狽える所とか、すんごくコミカルで。元々お顔立ちはっきりされてるから嬉しかったり驚いたりの表情差分(差分って言うな)が分かりやすくて微笑ましかったです。え? やっぱり初舞台だなんて嘘ですよね!?

 

まあそもそも芸人さんとして十五年以上板の上に立ってるんだから元のスペックが違うんだよな、と。改めて舞台に立つ演芸の人の力って凄まじいなと感じさせられました。

日々様々な舞台に立つからこそ発声がしっかりしていてホール全体にちゃんと聞こえるし、(これは後半のBチームの岡田さんにも言えることだけど)高音域なのにキンキンとしない。ちゃんと「人が聴きやすい丁度の声質」が保たれていること。それでいて相手を邪魔しない、場面場面で使い分けられる声を瞬時に出せること。それにコントとかコーナーとかで広い場所を使うから演技がちっちゃくない。ちゃんとホールに合った演技幅を理解されていたのかな。比較的キャストの中では小柄な方だけど、大きく体を動かしてたから全然見劣りしませんでした。背丈同じ位に見えました。凄すぎ。

そういうところを自然と、ナチュラルに見せつけられて「芸歴だ……これが芸歴だ……ッ!」と謎にワクワクさせられたし謎にウルッとしてしまいました。情緒どうなってんの。限界オタク過ぎる。それでもって滅茶苦茶上から目線すぎて誰かに介錯を頼みたいレベル。頭が高過ぎる。すみません早くめり込みます。

個人的に机をバン! と叩くシーンがあって、そこはちょっと躊躇されていたように見えたので(多分本人がおっきい音苦手だからだと思う)もっと振り切っても面白かったのかもなんてほんのり頭で考えてました。まあ結構響きやすいホールだと思ったし、机も音が鳴りやすいタイプでしたもんね。身の詰まった机だったらもっとバチン! といけてたんじゃないかな。でもあれはあれで物語で生まれた個人の色んな葛藤とかも見える、という意味では好きです。解釈は人それぞれですし。

ママから「この役立たず!」って言われて、そこで目を見開いてから眉が下がって泣きそうな切ない顔をして、しょんぼりしながらゆっくり机にうつ伏せになるシーンがあったんですけど、そこが一番好きでした。表情の流れが綺麗過ぎた。好(ハオ)でした。人から刺さることを言われて不貞腐れちゃう所も、「拗ねてません!」なんて言いながら不満げな様子が手に取るように分かって、そこの表現の仕方も素晴らしかったです。

最後の方のシーンで喫茶店の息子さんの熱い想いに感化されて、拗ねて机に伏せてたところからゆっくり起き上がってたっぷり間をとっての「持ってくるよ」、13日に見た時は優しい声で聞こえた気がしたんですけど14日に見たら喉ガラッガラでちょっと心配もありつつ面白くてニヤニヤが止まりませんでした。その後の「持ってきましたよ~!」とどやっどやの顔でビンゴマシーン持ってくるところとか「人が使ったやつなんでね……」とほんのり嫌味っぽく言う感じとか、回数重ねるごとに自然な言い回しとか雰囲気を感じ取れて飽きが……全くなかった……。

あとゲストさんがいらっしゃったフリータイムは「芸人・中村フー」が前面に出てましたね……。めっちゃ嬉々としてピンクワード出すなこの所帯持ち……。中村さんのすけべ!

※13日の男性ブランコ・平井さん回の時は水族館の暗さ→魚のラブホとか言っちゃうし、14日のすち子さん回はおっぱいについて言及しまくってたし。いや分かるけど! 言いたい気持ちは分かるけど! 特に14日は完全に中村フーさんだった。そこにつるみさんは居なかった。でもそこが良いんだよなぁ。すち子さんのマチネ回は二人で「駄目だなぁ」の応酬を繰り広げてて永遠に続きそうで一周回って微笑ましかったです。ちっちゃい人たちが面白可愛い争いをしててこの世の争いがこれになればいいのにってちょっと思うなどした。

 

これで舞台終わってほしくないなぁ。すごい純粋にもっと中村さんの演技が見たいなぁ。今度はもっと違う役で見てみたいなぁってどんどん欲を駆り立てられました。何かしらの媒体でまた演技してください。本当に。頼む……っ!

 

 

□Bチーム『MeganeVerse』

岡田直子さんのポテンシャルが高すぎて度肝を抜かれました。新喜劇団員って凄い!

Bチームのおはなしで面白いな、と思ったのは設定がAチームから引き継がれている点が多い所とか、「眼鏡」にまつわるワードがそこいらにあって眼鏡愛であふれていたり(全員の名前とか会社の名前とか神社の名前とか!)、マルチバースと眼鏡をどこでつなげようと思ったのか……とにかく作品の内容が濃かったです。Aチームとは違った満足感でいっぱいでした。メインの美樹ちゃんの服装がお互い絶対に入ってたり、髪のくくり方が同じだったり、かと思えば性格は間反対だったり……。ちぐはぐなようで重なってるのが何とも絶妙な塩梅!

それにしても岡田さんって凄いよね。あんなマシンガントークで台詞を話されているのに、分からないわけじゃない。ちゃんと理解できるスピードで尚且つ活舌が良いからちゃんと聞き続けられるの、才能とポテンシャルにあふれていた。あれは一朝一夕で稽古したところで得られる技じゃないと思うんだよなぁ。

それにやっぱ新喜劇の団員さん。動きが他の俳優さんと何ら変わらなかった。自然な演技過ぎた。ゴエさん演じる市庭さんに対しての目線の動かし方とか表情とか、じれったい気持ちがこっちにも痛いほど伝わってきて、こっちもじれったくなって。その分あの告白シーンは札束ばらまきたくなるくらいに嬉しさに溢れて、脳内で三木道三さんの「Lifetime Respect」が流れてました。一生一緒に居てくれや……!

14日は岡田さんの顔がずーっとちょっと緊張されていたというか。ソワレのカーテンコールで終わってほっとしてそうだな、というのが見えてこっちもほっとしました。そうですよね。座組の大先輩ですもんね……。気合い入れてすち子さんのあの芸に果敢に挑んでいった姿がすっごくかっこよかったです!

 

 

他のキャストの方もまたちまちま書けたらなって……。

や~もう本当に。見に行けて良かったなというのが一個と、最後までキャストが全員欠けることなく開催していただけたのが本当に何より嬉しかったです。最近またゴホゴホという人をチラホラ見かけますし、吉本でも年始の疲れからかダウンする人も多くて結構不安ではあったんですけど、そういった兆しもなく全員が元気に演じてくださって。感謝の極みです。DVDとかにならないのが本当に……本当にもったいない……!

あと、そういえばお見送りで中村さんがバッチリ目合わせてくるの、なんかすっごいドキドキしました。一人一人にちゃんと目向けてくださってたのかな。ファンサが丁寧すぎる。すごいぞ……。

 

本当に最高の舞台を年始から見れて最高!

うただの一石さんも初舞台だったとのことですが、ママ~!と嬉しそうにハグしにいったりマッサージ屋さんに突っかかってたり、コミカルな演技がすっごい幼子みを感じて可愛かったです!一石さんも初舞台とかぜったい嘘だ……。あんなにどっしり構えて椅子に座れてて肝が据わりすぎていた。これは次回も期待ですわよ。

 

 

ヘンダーソンさんが出る注目ライブはこちら↓

<会場完売!配信は無限大!>

ヘンダーソンVSシシガシラ~カメラワークの陣~in ヨシモト∞ホール(2/5 21:00)online-ticket.yoshimoto.co.jp

祭田は悲しいかな、単独ライブ變道楽のチケットを「後で買っちゃお~」のまま買い逃したアホです。見に行く皆はいっぱい感想書いて私の元気のもとになってください。